暗闇を照らす月の光

「物質と魂の融合。人間と神の和合。そうした結びつきこそ芸術の存在理由。人の心に何かの贈り物をすること。世界中あらゆる世代の人々のために…神が僕を選んでくれた使命です。」

By Michael Jackson

1993年2月10日

衝撃の死から10年。

今もなお愛され続けるKING of Pop Michael Jackson。彼を象徴するダンス「Moon Walk」はあまりにも有名です。月の上を歩くような、独特でしなやかなダンス。

しかし、華やかなステージの裏側にあったマイケルの苦悩。1993年にマイケル自身がインタビューで語ってくれた本音。

スポットライトの下で輝くマイケルの幼少期は、まさに暗闇を照らす月明かりの下を歩み続けるような日々だったのです。

ステージは明るい。けれど、そこを降りたら苦しみと孤独が待っている毎日。

ジャクソン5としてデビューし、天才と呼ばれていたマイケルですが、「幼少時代、友達と遊ぶことも、学校へ行くこともなく、ただただ悲しいだけの日々を送っていた」と彼自身が語っています。

しかし、彼はこうも語りました。「そんな過去があったから、子どもたちの役に立つことができている」がん治療で髪の毛が抜けた子どもたちが彼の作ったネバーランドで屈託なく笑う姿に涙し、マイケルは自分が生きている意味を感じていたのです。

また、彼には確かな使命がありました。それは、「人の心に何かの贈り物をすること」。

誰もが羨む名声と光の裏に渦巻く濃い影は彼を苦しめました。それでも、マイケルは心を汚すことなく、歩みを止めることはありませんでした。

「どんな芸術にも究極の使命がある」と信じ、余生にはアート作品を描き、遺しました。子どもたちを愛し、世界の人々が仲良く手を取り合う世界を願い続けたマイケルの残した作品から彼のメッセージを感じて頂けましたら幸いです。